── 世界基準で見た日本建築の今:Architizerが選ぶ「日本を代表する設計事務所第15位〜第1位」
国内外のプロジェクトで実績を重ね、国際的なアワードやメディアからも高い評価を受ける日本の建築・インテリアデザイン事務所。
今回は Material Bank のグループメディア「Architizer」が、いま注目すべき日本を代表する建築・デザイン事務所30組を選出し、国内外で評価される建築事務所が、どのような設計思想とマテリアルを用いてプロジェクトに取り組んでいるのか。その背景や代表作とともにご紹介している。
今回は後編として、いよいよ第15位〜第1位の15社をご紹介する。(前編はこちら ▶︎)
※本記事は、Material Bankのグループメディアである「Architizer(アーキタイザー)」の記事を翻訳・編集したものです。
第15位:Kiriko design office(キリコ設計事務所)
高知県にて創業40年を超える設計事務所。太平洋と山々に囲まれた風土の中、保育園やクリニック、集合住宅、別荘、商業施設など多彩な建築を手がけており、地域素材を活かした設計が特徴である。

主なプロジェクト:
- Oranque(高知)
- Tei(高知)
- Totoro
- House Tombrage
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:9件
- 登録プロジェクト総数:13件
第14位:中村拓志&NAP建築設計事務所
中村拓志氏により2002年に設立されたNAPは、自然現象・人の行動・感情の動きに近い「微視的デザイン」を通じて、「建築・自然・身体」が有機的につながる空間を創出。地域の歴史・文化・産業・素材に根ざした建築を追求している。

主なプロジェクト:
- 狭山の森礼拝堂(所沢)
- リボンチャペル(尾道)
- 上勝町パブリックハウス(徳島)
- Bird’s Nest Atami(熱海)
- 星野リゾート 界 ポロト(北海道)
選定理由:
- A+アワード受賞:2件
- A+アワード・ファイナリスト:2件
- 特集掲載プロジェクト数:8件
- 登録プロジェクト総数:11件
第13位:Florian Busch Architects(フロリアン・ブッシュ建築設計事務所)
東京を拠点に、建築・都市計画・社会文化分析を横断的に行う建築事務所。多分野の専門家と連携したフィードバック型の設計プロセスを通じ、想像を超える空間戦略を導出している。創設者であるFlorian Busch(フロリアン・ブッシュ)は、バウハウス大学(ドイツ)、東北大学、そしてAAスクール(イギリス)にて建築を学んだ経歴を持つ。

主なプロジェクト:
- 高田馬場の住宅(東京)
- 森の家(北海道)
- 「A」ハウス(下田市)
- Lハウス(倶知安町)
- 内側に開く家(千葉県佐倉市ユーカリが丘)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:8件
- 登録プロジェクト総数:15件
第12位:YYAA/山本嘉寛建築設計事務所
奈良・大阪を拠点とする設計事務所。建築家ではなく「デザイナー」として、施主ごとの多様な個性を尊重し、プロジェクトごとに最適な解答を導き出すことを信条とする。

主なプロジェクト:
- あやのいえ(大阪)
- 吹流しフラット(大阪)
- カフェ フランツ・カフカ(奈良)
- 岡山ビル(大阪)
- クロスロードハウス(堺市)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:11件
- 登録プロジェクト総数:23件
第11位:ALTS DESIGN OFFICE(アルツデザインオフィス)
「常に新たな普遍性を探求し、多様で豊かな空間を創出する」を理念に掲げる設計事務所。シンプルかつ明快な手法を用いて、施主との対話の中から本質的な価値を再発見・再構築する。

主なプロジェクト:
- 古墳の木の家(近江八幡市)
- 安土の家(近江水口)
- 草津の家
- 店舗併用住宅(東林口)
- 石部の家
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:11件
- 登録プロジェクト総数:55件
第10位:安藤忠雄建築研究所
1969年、独学で建築を学んだ安藤忠雄氏によって設立された安藤忠雄建築研究所は、ミニマルなコンクリート造と自然要素との調和を特徴とする建築で国際的に知られる。主に文化施設を中心としたプロジェクトを手がけている。

主なプロジェクト:
- He Art Museum(中国・仏山市)
- MPavilion 10(オーストラリア・メルボルン)
- ロベルト・ガルサ・サダ・センター(メキシコ・モンテレイ)
- ICHIGONI at 152 Elizabeth Street(米国・ニューヨーク)
- アジア現代美術館(台湾・台中市)
選定理由:
- A+Awards 受賞:2件
- A+Awards ファイナリスト:7件
- 特集掲載プロジェクト数:4件
- 登録プロジェクト総数:6件
第9位:Schemata Architects / Jo Nagasaka(スキーマ建築計画 一級建築士事務所)
1998年に東京藝術大学卒業後、長坂常氏により設立されたスキーマ建築計画は、家具から建築に至るまで、1:1スケールでのデザインアプローチを基本とする。東京・北参道を拠点とし、国内外で多様なデザイン領域に取り組んでいる。

主なプロジェクト:
- ºC(東京・恵比寿)
- TAKEO KIKUCHI 渋谷店(東京・神宮前)
- WORLD BASICS ポップアップ@merci(フランス・パリ)
- 高橋理子 押上スタジオ(東京・墨田区)
- 鳩ヶ谷の住宅(埼玉県)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:12件
- 登録プロジェクト総数:20件
第8位:emmanuelle moureaux(エマニュエル・ムホー建築設計事務所)
1971年フランス生まれの Emmanuelle Moureaux(エマニュエル・ムホー)。1996年より東京に拠点を構え、2003年に自身の事務所を設立。東京の街に見られる色層の重なりや伝統的な襖などに着想を得て、「色で空間を仕切る」“shikiri”という概念を創出。色彩を三次元的な構成要素として空間に用いている。

主なプロジェクト:
- Forest of Numbers(東京)
- 巣鴨信用金庫・志村支店(東京・板橋区)
- 巣鴨信用金庫・中青木支店(埼玉・川口)
- 100 colors no.35(岡山・倉敷)
- 100 colors no.37(ノルウェー・オスロ)
選定理由:
- A+Awards 受賞:2件
- A+Awards ファイナリスト:2件
- 特集掲載プロジェクト数:11件
- 登録プロジェクト総数:25件
第7位:y+M design office(ワイエム デザイン オフィス)
吉本英正氏と宮下昌弘氏によって設立されたy+M design officeは、人と環境との「つながり」に着目し、最適な設計解を追求する日本の建築設計事務所である。

主なプロジェクト:
- béret(香川)
- 浮屋根の家(兵庫・神戸)
- 舞台裏の家(徳島)
- 滑り台の家(兵庫)
- ショールの家(愛媛)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:12件
- 登録プロジェクト総数:24件
第6位:nendo
2002年に佐藤オオキを中心に設立された、「日常に潜む小さな“!”を形にする」ことを理念とするデザインスタジオ。日常の中で見過ごされがちな驚きを、直感的に伝わるデザインとして再構築している。建築、プロダクト、グラフィックなど多岐にわたる分野で活動。

主なプロジェクト:
- 天理駅前広場コフフン(奈良・天理市)
- Kaleidoscopic Ivy(日本)
- 麹町テラス(東京)
- ステアウェイ・ハウス(東京)
- 屋根とキノコのパビリオン(京都)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:13件
- 登録プロジェクト総数:17件
第5位:EA Research and Design Office|Takeru Shoji
新潟市を拠点とする建築家、東海林健が主宰する建築設計事務所。建築や住居のみならず、街の一部として「開かれた空間」を創出することを理念とする。建物そのものより、そこにいること、通り過ぎることを通して生まれる感情や時間を大切にした設計を行う。

主なプロジェクト:
- Hara House(新潟・長岡)
- YNS(新潟・新潟市西区)
- Wow! Sta.(新潟)
- sa house(日本)
- Shiro house(秋田・楢山)
選定理由:
- A+Awards 受賞:2件
- 特集掲載プロジェクト数:14件
- 登録プロジェクト総数:18件
第4位:藤原・室 建築設計事務所
2022年、大阪を拠点に藤原慎太郎氏と室井義雄氏により設立。コンパクトでありながら眺望を活かした住宅設計を得意とする。

主なプロジェクト:
- 鶴見区の家(大阪)
- 向洋田の家(広島)
- 南田辺の家(大阪)
- 向日市の家(京都)
- 神戸のタイニーハウス(兵庫)
選定理由:
- 特集掲載プロジェクト数:21件
- 登録プロジェクト総数:46件
第3位:日比野設計(HIBINOSEKKEI) + 幼児の城
「幼児の城」は神奈川県に拠点を置く日比野設計による、幼児施設に特化した建築設計部門。1991年に始動し、少子化社会における保育建築の在り方を問い直すことから設計活動を展開。画一的な教室配置に代わる、個性と豊かさを備えた空間を提案している。

主なプロジェクト:
- SH幼稚園・保育園(富山)
- 花園幼稚園・保育園(沖縄)
- KB小中学校(長崎・佐世保)
- KM幼稚園・保育園(大阪・和泉市)
- OM保育園(茨城)
選定理由:
- A+Awards 受賞:4件
- A+Awards ファイナリスト:7件
- 特集掲載プロジェクト数:26件
- 登録プロジェクト総数:68件
第2位:株式会社 日建設計
都市計画、建築設計、調査研究、コンサルティングといった多分野を社内で統合し、より優れたソリューションの提供を目指す総合設計事務所。
![© Harunori Noda [Gankohsha]](https://cdn.sanity.io/images/6mbhw8ys/production/ccdaa33fd8c66cdd8094bea3c80ddb3de920c1e9-1680x840.png?rect=140%2C0%2C1400%2C840&w=1280&h=640&fit=max&auto=format)
主なプロジェクト:
- 昭和学院小学校・西校舎(千葉・市川)
- JR熊本駅ビル(熊本)
- 有明体操競技場(東京)
- On the water(日光)
- 大和コーナンビル(東京)
選定理由:
- A+Awards 受賞:3件
- A+Awards ファイナリスト:9件
- 特集掲載プロジェクト数:25件
- 登録プロジェクト総数:45件
第1位:隈研吾建築都市設計事務所
1954年生まれの隈研吾氏が、1990年に設立。自然・テクノロジー・人との新たな関係性を開く建築を提唱し、世界50カ国以上でプロジェクトを展開。その思想は、数多くの著作においても展開されており、主な著作には『隈研吾 オノマトペ建築 グラウンディング』(エクスナレッジ)、『日本の建築』(岩波書店)、『全仕事 隈研吾』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』(岩波新書)、『小さな建築』(岩波新書)などがある。

主なプロジェクト:
- コールハーバーの茶室(カナダ・バンクーバー)
- ボタニカル・パビリオン(オーストラリア・メルボルン)
- V&A ダンディー(イギリス・スコットランド)
- ダーリング・スクエア(オーストラリア・シドニー)
- MASSIMODECARLO Pièce Unique(フランス・パリ)
選定理由:
- A+Awards 受賞:5件
- A+Awards ファイナリスト:2件
- 特集掲載プロジェクト数:29件
- 登録プロジェクト総数:49件
なぜArchitizerのランキングは信頼できるのか
Architizerは、世界最大級の建築家および建材メーカーのオンライン・コミュニティを有し、30,000以上の建築設計事務所と130,000件を超えるプロジェクトをデータベースに保有している。
その中でも特に注目すべきは、毎年開催される「A+Awards」であり、建築および建材の分野における世界最大規模のアワード・プログラムとして広く認知されている。400名以上の審査員と数十万件に及ぶ一般投票により、真に優れた建築が顕彰されている。
また、Architizerは米国建築家協会(AIA)の複数の支部と連携し、AIAニューヨークをはじめとした公式ディレクトリの運用も担っている。