
At São Paulo’s famously hectic international airport, the BTG Pactual VIP Terminalby Pascali Semerdjian Arquitetos and Perkins&Will offers deep-pocketed travelersa quietly luxe haven.
サンパウロの混雑する国際空港において「Pascali Semerdjian Arquitetos」と「Perkins&Will」が手がけた〈BTGパクチュアルVIPターミナル〉は、裕福な旅行者に静かでラグジュアリーな隠れ家を提供している。
── 混雑する空港だからこそ提供できる、静かでラグジュアリーなVIPターミナル
熱心な航空ファンでもない限り、空港を楽しむ人は少ない。多数の人の声が硬質な表面に反響し、人工照明は時間感覚を奪い、迷路のような動線と頻繁なセキュリティチェックが緊張感を生む。こうした感覚過多と感覚遮断が同時に存在する環境は、ストレスを生み出す場でしかない。
こうした一般的な空港体験を覆すことを目的に「Pascali Semerdjian Arquitetos」と「Perkins&Will」は、サンパウロの〈São Paulo–Guarulhos International Airport(グアルーリョス国際空港)〉に新たなVIPターミナルを設計した。



この施設は単なるラウンジではなく、独立した建築として構成されている点に特徴がある。チェックインから出発までを一体的に再設計することで、空港体験そのものを変えることが意図されている。設計では、人工光ではなく自然光、金属や樹脂ではなく木や石、匿名的な空間ではなく地域性を重視。結果として生まれたのは、「公共用途を持つ住宅」とも言える空間である。約26,000平方フィートの建物は「陸側」と「空側」に分かれ、その間には内部庭園が設けられている。鳥を引き寄せない樹種を選ぶなど、空港特有の制約にも配慮されている。


── 空港を“滞在する場所”へ|素材とディテールが生む静かな体験
建築の骨格設計の後、インテリアはSarkis Semerdjianらによって構築された。目指したのは「親しみがありながら、それ以上の体験」。パウフェロ材の格子スクリーンはブラジルの伝統的なムシャラビ風の意匠を現代的に再解釈し、空間を緩やかに区切る。チェックインラウンジやバー、ダイニングなどに配置され、開放性を保ちながらプライバシーを確保している。


素材構成は極めて抑制的でありながら、質感の重なりによって豊かな空間を形成する。木質パネル、石材調の床、レザーやブークレ生地、そして選択的に用いられた大理石。特に洗面空間では、緑色の大理石と真鍮の水栓、植栽を組み合わせた大胆な構成が採用され、自然の源泉を想起させる表現となっている。


建築全体は過度な象徴性や演出を避け、庭園へと視線を導く構成をとる。高く伸びる屋根も、視覚的な主張ではなく空間の軽やかさを強調するためのものだ。従来の空港建築が持つ圧倒性とは対照的に、本プロジェクトは「滞在したくなる空間」を目指している。


INTERIOR DESIGN Magazine, July/August 2025
english text: michael snyder
photography: fran parente
firm: Pascali Semerdjian Arquitetos and Perkins&Will|site: são Paulo, brazil

