
On Saudi Arabia’s Sheybarah Island in the Red Sea, Killa Design’s futuristic,high-tech orbs for net zero–energy Shebara Resort are grounded byRockwell Group and Studio Paolo Ferrari’s human-centered interiors
紅海に浮かぶサウジアラビアのシェイバラ島で「Killa Design」が手がけたネットゼロエネルギーリゾート〈Shebara Resort〉。その未来的でハイテクな球体建築に「Rockwell Group」と「Studio Paolo Ferrari」が人間中心のインテリアを与えている。
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── 真珠のように連なる、ネットゼロエネルギーの未来型リゾート
サウジアラビアは、掲げた構想に本気で投資する国だと言えるだろう。2017年に発表された Red Sea Project(紅海プロジェクト)は、総事業費236億ドルとされる大規模観光開発計画であり、2030年までに紅海沿岸の22の島と6つの内陸エリアに50のリゾートを整備することを目指している。すでに4つの施設が開業しており、その中でも新しいプロジェクトの一つが〈Shebara Resort〉である。


リゾートは本土から約15マイル沖合のシェイバラ島に位置する。起伏のある砂丘や砂漠植物、ウミガメの産卵地、手つかずのサンゴ礁が広がる細長い島だ。「Killa Design」が手がけた73室のラグジュアリーリゾートのマスタープランと建築は、海岸線に沿って連なる真珠のネックレスを思わせる。鏡面仕上げのステンレススチール製楕円体に収められたヴィラ群は、水上と陸上を縫うように配置され、まるで海がそっと置いていった銀色の真珠のように見える。
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「置かれた」という表現はまさに的確だ。これらの球体建築はすべてアラブ首長国連邦でプレファブ化され、内装まで完成した状態で現地へ輸送された。その後、海中や海岸部に設けられた鋼管杭付きのコンクリート基礎の上へ慎重に据え付けられた。この方法によって、各ヴィラはスーパーヨット並みの精度で製作されると同時に、島の繊細な生態系への建設時の影響を最小限に抑えている。
さらにリゾート全体は、大規模な太陽光発電設備、逆浸透膜式海水淡水化施設、排水再利用システム、電動による陸上・海上交通システムによって支えられ、エネルギー・水・廃棄物のすべてにおいてネットゼロ運営を実現している。ボートや水上飛行機でアクセスするこのリゾートは、ほかの面でも自然環境への敬意を示している。建物は一見すると未来的で強い存在感を放ち、友好的な宇宙船団が訪れたかのような印象を与える。しかし鏡面外装は海や空、砂丘や植生を映し込み、周囲の風景へと溶け込んでいく。特に水上ヴィラは片持ち構造によって支えられており、海面の上に無重力で浮かんでいるように見える。海洋環境への干渉も最小限に抑えられている。
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── 未来的な外観を、人間らしい体験へと翻訳するインテリア
印象的な建築を自然環境へ溶け込ませることに成功した「Killa Design」に対し、その外観にふさわしいインテリアを構想する役割は「Studio Paolo Ferrari」と「Rockwell Group」に託された。
ヴィラのインテリアを担当した「Studio Paolo Ferrari」の創設者 Paolo Ferrari(パオロ・フェラーリ)氏は、「客室は未来的で型破りであり、実験的であるべきだと思っていました。しかし過度に自己主張する空間にはしたくなかったのです」と語る。そして、外装と内装をつなぐという課題が、その答えを導き出したという。


鏡面ステンレスは内部にも持ち込まれ、まるで液体のように扱われている。サイドテーブルやフロアランプ、洗面ミラー、ベッドヘッドボードなどは流れるような曲線を描く彫刻的な造形となっている。中でも象徴的なのが壁掛け式のバーキャビネットだ。巨大な繭のような銀色の収納は、ボタンを押すと花が開くようにゆっくりと開き、鮮やかな深紅のレザー張りの内部が現れる。


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一方、レストランやバー、スパ、ジム、到着パビリオンなど約3,600㎡の共用部を担当したのはRockwell Groupである。パートナーのBrad Zugerは「ドーム状空間の設計は技術的な挑戦でした」と語る。



その特徴は特にレストランに表れている。ビーチフロントのブラッスリー「Lunara」では、島の厳しくも美しい風景を室内へ取り込んでいる。波打つようなオーク材の天井は、潮流に揺れる海藻の森を思わせる。オーダーメイドのオークパーケットやセージグリーンを基調とした家具も自然とのつながりを感じさせる。
地中海料理を提供する「Ariamare」は海から着想を得ている。曲面天井には魚の骨格を思わせるリブが走り、輝くシャンデリアは魚の鱗のような光を放つ。その下には巨大な天然石で構成されたクルードバーが置かれ、古代のモニュメントを連想させる存在感を放つ。
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現代的な空間の中に古代の記憶を重ねることで「Rockwell Group」は宿泊者に「別世界へ足を踏み入れたような体験」を提供しようとしている。
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本記事は、「INTERIOR DESIGN」による『tomorrow land』を、日本語でご紹介する記事です。
INTERIOR DESIGN Magazine, May 2025
english text: peter webster
photography: ema peters
firm: killa design|site: sheybarah Island, saudi arabia