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ブランドセレクション

        2026年5月28日

        ポートランド発、低炭素と体験価値を統合した次世代ホテル建築

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        Designed by LEVER Architecture for developer-builder Solterra, the Cascada Hotel andSpa embraces low-carbon, health-centric luxury.
        By Brian Libby

        ディヴェロッパー兼ビルダーである「Solterra」のために「LEVER Architecture」が設計した〈Cascada Hotel and Spa〉は、低炭素で健康志向のラグジュアリーを体現している。


        ── ウェルネスがつくるサステナビリティ、健康志向ラグジュアリーの新基準

        オレゴン州ポートランドのアルバータ・アーツ・ディストリクトには、多くのギャラリーやレストラン、ショップが集積している。しかし最近まで、ダウンタウンの北東約4マイルに位置するこのエリアにはホテルが存在しなかった。ましてや、バイオフィリックデザインを中心とし、細部に至るまで健康への配慮が行き届いた「Cascada Hotel and Spa」のような施設はなかった。





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        ロビーにはポルトガル産コルクで製作された特注ソファが置かれ、壁面は天然石灰プラスターで仕上げられている。フロントデスクの背後には2層分の高さを持つリビングウォールが広がる。ダブルハイトのプール空間には、太陽光発電セルを組み込んだ三層ガラスの天井が設けられ、数百種類の植物は1万ガロンの貯水タンクに蓄えられた雨水によって灌水され、空気浄化にも寄与する。さらに、マス・プライウッドによる構造体は、建物全体のカーボンフットプリントの削減に貢献している。



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        本プロジェクトのデベロッパー兼ゼネコンである「Solterra」の副社長 Danya Feltzin(ダニア・フェルツイン)氏は、「これまでのプロジェクトはすべてLEEDプラチナを基準としてきましたが、今回はそれに加えて“2030 Challenge(2030チャレンジ)※1”や“Passive House(パッシブハウス)※2”やなど、さまざまな持続可能性の指標に取り組んでいます。異なる施工方法に挑戦するたびに多くを学びました」と語る。そして現在では、「持続可能な空間を設計する」という段階から、「健康とウェルネスそのものが最もサステナブルである」という考え方へと進化しているという。

        ※1 「2030チャレンジ」とは、企業や教育機関が「2030年」というマイルストーンに向けて取り組む持続可能性やダイバーシティの目標、あるいはSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた実践的な取り組みの総称
        ※2 「パッシブハウス」とは、ドイツ発祥の世界最高水準の省エネ住宅基準。



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        ── 低炭素建築と体験の融合|地域性と構法がつくる次世代ホテル

        Solterra は外部のホテルブランドと提携するのではなく、地域のローカルビジネス文化に合わせて独自のブティックホテルブランド「Cascada」を立ち上げた。アルバータ通りには約400の事業者が存在するが、「スターバックスは一店舗もない」と、Solterra のCEO、Brian Heather(ブライアン・ヘザー)氏はいう。

        設計を手がけた「LEVER Architecture」は、当初住宅として計画されていた本プロジェクトを、パンデミック後にホテルへと転換した。ロフト型のダブルハイト空間や、各ユニットに備えられたキッチンや洗濯乾燥機など、住宅的な要素はそのまま引き継がれている。



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        初期段階のライフサイクル分析では、マスティンバーと低炭素コンクリートによるハイブリッド構造を採用することで、法規基準に沿った一般的な建物と比較して、エンボディドカーボンを35%削減できることが示された。LEVER Architecture 創設者の Thomas Robinson(トーマス・ロビンソン)氏は、「これはプレファブリケーションの効率性とクラフト性を組み合わせた、高度にカスタマイズ可能なモジュールシステムです」と説明する。

        「床・天井パネルを積み重ね、金属スタッド壁を組み合わせるだけで構築でき、現場作業を最小限に抑えられます。理にかなっているので、今後こうした次世代型の建設手法はさらに増えていくと思います」

        使用されているマス・プライウッドは、オレゴン近郊の森林から調達されており、2020年のSantiam火災で被害を受けた木材や、直径8インチ程度の小径木も活用されている。「マス・プライウッドには、他では使い道が見出されにくい木質繊維を活用できる特性があります。そしてそれは森林火災対策においても大きな意味を持っています」とRobinsonは語る。構造材でありながら仕上げ材としても露出され、天井や館内各所に現れているその素材は、「一般的な合板にはない上質さ」を持ち、空間に独自のキャラクターを与えている。

        また、10万平方フィート以上にわたる石灰プラスター仕上げによって、内装塗装の必要性はほぼ排除された。「新築特有の匂いがほとんどなく、エンボディドカーボンの削減にも大きく寄与しています」と Robinson 氏はいう。



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        さらに、スパに設けられた5つのプールでは、高効率な冷水システムを採用し、水熱交換器を介してHVACシステムと連携することで、両システム間で熱回収を行っている。プールは塩素を使用せずにろ過されている点も特徴だ。「説明されなければ気づかない要素も多いかもしれません。しかし、この場所を体験すると、それを感覚として理解できると思います」と Robinson 氏は語る。

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        本記事は、「METROPOLIS(メトロポリス)」による『At This Portland Hotel,Wellness Is theUltimate Sustainability』を、日本語でご紹介する記事です。

        METROPOLIS | Winter 2025 | By Brian Libby
        Photography by ©EMA PETER PHOTOGRAPHY COURTESY LEVER ARCHITECTURE


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