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ブランドセレクション

        2026年3月5日

        過去へのオマージュから学ぶ、BAUHAUS(バウハウス)的アパートメント

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        ハンガリー・ブダペストに建つ1930年代のバウハウス様式ヴィラの一角に位置する、約970平方フィート(約90㎡)のアパートメント。本計画は、インテリアデザイナーの Sarolta Huttl(サロルタ・フットル)によるものであり、家族のレガシーに捧げる“生きたオマージュ”である。もとはより大きな住戸の一部であった空間を、3人家族のための光あふれるモダンな住まいへと転換。歴史への敬意と、現代的な生活の要請との均衡を図っている。

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        改修はまずファサードから始まった。1932年に遡るオリジナルの外観は、ヴィラの建築的統合性を尊重するため、細心の注意を払って修復された。その理念はインテリアにも引き継がれている。フットルとパートナーであり映画監督の Luka Kostil(ルカ・コスティル)は、バウハウスの原理を手がかりに空間を再構想しつつ、それを今日の生活実態に即したかたちへと適応させた。彼らに共通していたのは、歴史に根ざしながらも新鮮な現在性を備えた住まいをつくること、そして美が機能に奉仕しながらも決して無機質に陥らない空間を実現することであった。

        かつて細かく分断されていた間取りは、目的性をもって再編されている。オープンプランのキッチン、ダイニング、リビングが住まいの中心を形成し、家族が集う核となった。設計上のハイライトは主寝室にある。ここでは、既存の大きなオリジナル窓が修復され、その自然光が室内ガラスパネルを介してキッチンへと導かれる。ガラスは壁一面に造作されたワードローブの内部に組み込まれており、日没後には内側から柔らかく発光する。これにより、明るく軽やかな日中の雰囲気から、温かく親密な夜の表情へと、住空間のムードが移ろう。

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        キッチンは主たるリビング空間のトーンを決定づける要素である。ティールグリーンのローワーキャビネットと、天井まで立ち上げられた端正な白い正方形タイルが背景を構成する。長方形の〈&Tradition〉のダイニングテーブルを囲むのは、くすんだ赤みを帯びたピンクの椅子群。そのヘッドには、陽光のようなイエローの一脚が配される。鏡面を背にした4段のイエローの棚には、ハンガリーのヴィンテージガラスや磁器が鮮やかにディスプレイされ、空間にさらなる色彩のアクセントを添えている。その結果、白い壁を背景に、明朗で軽快なカラーパレットが形成されている。

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        地元で調達された広葉樹のパーケットは、空間に時代を超えた温かみをもたらす。一方で、手仕事によるセメントタイルや大理石の天板が、繊細なテクスチャーを付与する。造作家具には、環境配慮型のMDF代替材であるValchromatが用いられた。豊かな色味をもつこの素材は、ミニマルな空間構成に遊び心を加え、力強い色彩によってエネルギーを注入する。モダニズムは必ずしもモノクロームである必要はない——そのことを示唆する選択である。

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        リビングエリアでは、〈Marset〉のDipping Lightが、ラグ〈ABRA〉の持つ錆色と響き合う色調を放つ。これらを、〈HAY〉のネイビーのMags Sofaが安定感をもって支える。〈Vitra〉のためにデザインされたウォールナットのEames Turned Stoolは、温もりを加えると同時に、柔軟な補助席としても機能する。

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        Huttl 氏にとって、本プロジェクトは極めて個人的な意味をもつ。金属フレームのガラスファサードが印象的な祖父母のサマーハウスは、彼女のデザイン感覚を幼少期から形づくった存在であった。また、バウハウス研究を専門とする建築史家であった祖母は、この運動の哲学に対する深い敬意を彼女に授けた。本アパートメントでは、そうした影響が美しく結実している。これは単なる追憶ではなく、進化である。バウハウスの理念を博物館的な遺物としてではなく、温かく、喜びに満ちた日常の一部として生きるためのかたちなのである。

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        ベージュに近いほど淡いピンクは、中性的なニュアンスで使える色。光や質感によって、温度感が大きく変化し、空間にやさしい緊張を与えます。メタルやオークとのミックスもおすすめ。“やわらかさ”を、空間に。

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        耐久性と美しさを兼ね備えた定番素材に加え、今注目されているサステナブルマテリアルやテクスチャー素材を厳選した住宅リノベ向きコレクション。空間の印象を変える床材やタイル、光を受けて表情を変える塗装材など、設計の起点となるラインナップです。



        Design Milk, 11.18.25 | By Caroline Williamson
        Photography by Balazs Mate.

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