
—— 空間構成とカラーゾーニング
味わいに呼応する原色のダイニング・エクスペリエンス
一般的なバーガー店は、クラシック・ダイナーのスタイルを想起させる白い壁面により、スピーディな食事環境を提供する一方で、どこか平板に感じられることがある。Flip-N-Fry チェーンのベルリン新店舗において、Bruzkus Greenberg は、メニューの味わいと同じくらい力強い原色で満たされた空間を設計した。ドイツ・ベルリンの保存指定建造物の1階、約120㎡のスペースは、自然な動線を確保するよう構成されている。かつてエントランスとして使用されていた出窓は、ペンダント照明を備えたファミリー向けの着席エリアへと転用され、開口部のガラス面が屋内外の連続性を強化している。建築家たちは限られた色数によってゾーンを形成しつつ、平板さを回避している。



「デザインは色数を抑えつつ、その彩度とコントラストを高めています」と、共同主宰の Ester Bruzkus(エスター・ブルズクス)氏は語る。各素材のテクスチャーは、レイヤーの重なりによって際立たされている。黄色のダイニング空間では木部を塗装ではなく染色仕上げとし、木目を強調。ステンレススチール、着色木突板、ソフトファブリックによる現代的なベンチシーティングが設えられている。高頻度利用に耐える屋外家具も採用され、パウダーコーティング仕上げのビストロテーブルなどが耐久性を担保する。天井と受け渡しカウンター、キッチンエリアには豊かなテラコッタ色が用いられ、同色のモザイクタイルがアクセントとして組み合わされる。一方、トイレへと導く通路は深いブルーで仕上げられ、スロープ部のチェッカーボード床仕上げと呼応している。


── 空間をしっかりとまとめる素材感 × 計算された照明計画
幾何学的なライティングが、ブランドコンセプトを統合する
室内では、ステンレススチールによるデータムラインが空間全体を横断し、各要素を視覚的に縫い合わせている。Studio De Schutter(スタジオ・シューター) による照明計画は、内部空間に広がりの感覚をもたらし、上部からの発光は通りからも視認でき、来店を誘発する役割を果たす。幾何学的な照明器具はグラフィカルな性格を備え、ユニークなパターンと方向性によって、下部に配置された各機能ゾーンを統合する。この特徴的なスキームは他店舗にも展開され、ブランドの視覚的アイデンティティを形成していく予定である。



Flip-N-Fry におけるカラーパレットは、カジュアルなバーガー店にふさわしい遊び心のあるトーンを設定しつつ、意外性のある組み合わせが食体験を拡張する。

「レストランはカラフルで楽しい場所であると同時に、近づいてよく見たくなる空間でもあるべきなのです」と、パートナーの Peter Greenberg(ピーター・グリーンバーグ)氏は述べている。色彩、素材、照明が重層的に連携し、機能とブランド表現を同時に成立させるユニークな店舗デザインだ。

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