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        2025年9月24日

        日本の都市ルネサンス:東京の未来を形づくる建築的ヴィジョン




        ── 伝統 × 革新:東京が描く都市の未来像




        古き伝統と最先端の現代性を調和させてきた都市・東京はいま、21世紀の都市生活を再定義する変容の只中にある。人口動態の変化、気候変動への対応、そして進化し続けるテクノロジーを背景に、建築家や都市計画家たちはデザイン革新のルネサンスを牽引している。この潮流は、現在の都市課題を解決するのみならず、持続可能性やレジリエンス、人間中心の設計といった未来の要請を先取りする試みでもある。

        東京の都市進化は、世界の都市の未来を映し出す鏡ともいえる。その核心には、豊かな文化的遺産と先進的デザインとの融合がある。自然素材の活用や内外を連続的に結ぶ空間といった日本的原理を踏まえつつ、現代の都市課題に応える先端技術を取り入れることで、新たな都市像を形成している。緑化を取り込んだ高層建築、気候適応型の開発、交通機能を統合したハブなどのプロジェクト群は、高密度・持続可能性・都市の接続性といった複雑な要件に対処する東京の姿を示している。こうした大胆な挑戦は、都市の過去への深い敬意と、柔軟で包摂的な未来への明確なヴィジョンを同時に体現しているのだ。




        Case 01:麻布台ヒルズ (ヘザーウィック・スタジオ、東京)

        麻布台ヒルズ



        麻布台ヒルズは、東京の中心に誕生した活気あふれる新街区であり、2.4ヘクタールにわたる公開緑地の中に、住宅・商業・文化施設を有機的に融合させている。住宅タワーやリテール、学校、寺院、美術館、オフィス、レストランといった多様な要素を統合し、東京が持つ「古と新の共存」を祝福するように設計された都市環境だ。

        敷地全体を覆うパーゴラ状の大架構が不整形な地形をひとつにまとめ、地上や屋上スロープに豊かな緑を生み出し、歩きながらの発見や偶発的な交流を促す。谷間に位置する地勢に呼応するように、建築は緩やかな傾斜や自然素材を取り入れ、江戸切子のガラス細工に着想を得たディテールを織り込むことで、東京らしい都市の本質を表現している。




        Case 02:回向院 念仏堂(川原湯隆デザインスタジオ、東京)

        回向院 念仏堂


        東京の中心に建つ革新的な寺院「回向院 念仏堂」は、伝統的な寺院形式を再解釈し、3種類の異なる伽藍を積層してコンパクトな敷地に収めた。外周をめぐる回廊は古典的な伽藍配置を参照しつつ、都市環境の中に新たな聖域を創出している。

        境内には竹林が組み込まれ、そこには生竹とともに108本のスワロフスキー製クリスタルの竹が配置されている。七色に輝くこれらは数珠を象徴し、「極楽浄土」のイメージを呼び起こす。竹林は都市の喧騒を遮る緩衝帯として機能し、訪れる人に心の静けさをもたらす都市のオアシスを形成している。伝統と現代性を融合させた本計画は、都市に深く根差した新しい精神的空間を提示する。




        Case 03:House NA - 壁のない家(藤本壮介建築設計事務所、東京)

        House NA - 壁のない家


        「House NA」は、樹上生活の共同性を現代的に翻訳した住宅である。白いスチールフレームによる構造は木の形態を模倣するものではないが、枝上での生活のように、階層や空間をまたいで声や活動が流れる「関係性の密度」を具現化している。

        都市と建築、家具と身体の中間に位置づけられるデザインは、自然的コンセプトを都市生活に組み込み、動的で多層的な相互作用を促す。都市における新しい居住のあり方を示す提案である。




        Case 04:ダイワユビキタス学術研究館(隈研吾建築都市設計事務所、東京)

        ダイワユビキタス学術研究館


        大学の研究拠点として設計された本建物は、従来のコンクリートや金属ではなく、木や土といった自然素材を積極的に導入することでキャンパス建築を再構築した。

        鱗状のパネルによる滑らかにうねるファサードは有機的で柔らかな表情を与え、都市的なグリッドを緩和している。中心には柔軟膜で覆われた臓器状の開口部が設けられ、前面道路と背後の日本庭園をつなぎ、光と風を建物全体に行き渡らせる。自然環境と都市的文脈を統合したダイナミックなキャンパス建築の一例である。




        Case 05:SLIDE西荻 コーポラティブハウス(駒田建築設計事務所、東京)

        コーポラティブハウス SLIDE西荻


        杉並区に建つ集合住宅「SLIDE西荻」は、螺旋状に延びる大スラブが特徴で、大きな滑り台を想起させる。中央には細長い中庭が設けられ、9戸のうち4戸が共有し、緑のスクリーンで緩やかに分節されている。他の住戸は屋上テラスを持ち、スラブによって連続的に接続されている。

        住民はスラブの斜面を上り下りすることで空間と身体を能動的に関わらせ、遊戯性のある居住体験を得る。眺望や交流を促すこの仕組みは、周囲の都市環境とも有機的に結びついている。




        Architizer Magazine
        English text: Eric Baldwin

        About Eric Baldwin:Based in New York City, Eric was trained in both architecture and communications. As Director of Communications at Sasaki, he has a background spanning media, academia, and practice. He's deeply committed to trying as many restaurants as possible in NYC.


        ※本記事は、Material Bankのグループメディアである「Architizer(アーキタイザー)」の記事を翻訳・編集したものです。