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今回は、マテリアルバンクに掲載中の山翠舎さんのマテリアルをご紹介します。
山翠舎(さんすいしゃ)
1930年創業。木工所として起ち上げ後、飲食店やオフィス、商業施設など設計から施工まで一貫し品質の高い空間づくりをおこなう。古民家から木材を回収し、保管・デザインも手がける日本で唯一の古木専門加工会社であり、その在庫量は日本一を誇る。
※「古木/こぼく/KOBOKU」は山翠舎の商標登録です。
※古木の定義:戦前に建てられた築80年以上の古民家の解体から発生した柱、梁、桁、板の木材のこと。
古木の特徴と使い方

古木には個性と歴史を重ねた表情がある。触ってみると刻まれた記憶と思い、その痕跡によって在りし日の風景が呼び起こされ、一本一本に力強さを感じる。
そんな古木をこれからの空間づくりにいかすにはーー。
木材のスペシャリスト「山翠舎」が取り扱うマテリアルを特徴から使い方までご紹介していきます。

◆差鴨居材(広葉樹)
ーマテリアルバンクには、差鴨居材(広葉樹)、桁材(針葉樹) 、板材(針葉樹) 、丸太材(松)、丸太材(楓)、5つのマテリアルを掲載いただいています。
まずは、差鴨居材(広葉樹)について教えてください。
山翠舎:差鴨居材(広葉樹)は、柱と柱の間をつなぎ、上からの荷重を支える梁(構造体)の役割を持つとともに、下の直接溝を掘って障子やふすまのレールの役割も兼ねている材料(横架材)です。松やけやきが多く、どっしりとした見た目で磨くとツヤも出てきます。おおよその長さは3500mm、もしくは4500mmが在庫している中では多いです。幅は200〜350mmくらいのものがあります。

横方向に材料が整っているので、このまま店舗の天井に使えたり、この形状をいかしてカウンター材にしたりするなど使い勝手のいい木材です。実際に森美術館でおこなわれた『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝 ※会期終了』の什器に差鴨居材が使われました。

差鴨居材(広葉樹) -マテリアルバンク
◆板材(針葉樹)
山翠舎:板材(針葉樹)は、古民家の床板として使われていた材料で、住民の方が日々お手入れされて飴色に変わったり、浮造りのような木目の凹凸が強調されていたりします。
長さは1750mmくらいで、幅は150〜300ぐらいです。

使い方としては、さまざまな表情を持つ材料なので壁面の装飾やカウンターの腰板などに使われることが多いですね。木の素材感を十分に感じられるので、アクセントを加えるときにはピッタリだと思います。

◆桁材(針葉樹)
山翠舎:続いて、桁材(針葉樹) は、屋根の下や軒先の下部の材料で屋根を支えていた材料(横架材)です。3400〜4500mmくらいのサイズ感で、その形状と使われた場所を活かして天井部分に2本、3本連続して使われることも多いです。1本あたりが長いので、芯の通った力強い雰囲気づくりには相性がいいかもしれないですね。

また、桁材を薄く裂き、厚みもランダムに製材して、凹凸感を持たせた壁面装飾もできます。

ー桁材は屋外に露出していた部材もあるとお聞きしました。屋内で使われていた木材との違いなどありますか。
山翠舎:大きな違いは、表面の凹凸と色味にあります。
屋外に出ているものは雨風に当たっているので冬目と夏目のデコボコが激しく、紫外線にも当たるのでグレーぽく脱色されているなど変色も見られます。そうした違いも楽しめるのが屋外で使われていた古木の魅力だと思います。
秋から冬に成長する色の濃い木目を冬目(ふゆめ)
春から夏に成長する色の明るい木目を夏目(なつめ)

◆丸太材(松)
ー建物で適正な部材があって、使われていた年数によって個性が際立ってくるのは面白いですね。丸太材はどんな素材ですか?
山翠舎:丸太材(松)は、断面が丸いもの、八角形に加工してあるものなど多面体の素材です。こちらも古民家の屋根を支えていたこともあり、弓なりに反っていたり、ものによっては根本だけが曲がっていたり、個性豊かなかたちをしています。
長さは3400mmくらいからはじまり、長いもので10mを超えるものも。太さは150φから300φを超えるサイズがあります。
活用例としては、やはり当初の雰囲気を活かして、屋根周り、天井周りなど空間の上部に使われることが多いですね。

また、太い材料は独立の柱としてシンボルツリーのような使い方、カットしてベンチとしても使うということもあります。空間にやわらかい印象を与えたいときにも使っていただけるものかなと思います。

