
── BIG IMPRESSIONS | 建築とインテリアがもたらす “記憶に残る体験”
建築やインテリアがもたらす印象とは、形だけではなく、体験として人の記憶に刻まれるものです。INTERIOR DESIGN 誌 2025年10月号 では、その「記憶をつくる建築」「体験としての空間」に焦点を当て、デザインが感性や文化をどのように伝えているかを探りまる。
本号の表紙を飾るのは、OMA New York による〈Louis Vuitton: Visionary Journeys〉。大阪・中之島美術館で開催されたこの展覧会は、ルイ・ヴィトンの170年におよぶ歴史を、光と素材のインスタレーションとして再構築した壮大なスケールの展示建築。そのほかにも、土地の文化を映し出す世界各地のリゾート、
アートと記憶を紡ぐパリのホテル、そして自然構造を建築化したガラス彫刻など、
空間が人の感覚を動かす「強い印象」をテーマにした事例を紹介。
デザインが文化や記憶を媒介し、建築そのものが“語りかける”時代へ。感性と構造、詩情と理性が交錯する、いま注目すべき建築とデザインの最前線をお届けします。
▪️ Picked Article 01

ルイ・ヴィトンの軌跡を辿る:OMAが手掛けた大阪・中之島の没入型展覧会
OMAニューヨークが設計を手がけた「Louis Vuitton: Visionary Journeys」は、創業170周年を記念し中之島美術館で開催された回顧展。ヴィトンの象徴であるトランクをモジュール化し、光を内包した構造体や竹編みの空間など、素材と物語が融合する空間を創出。鏡面ドームや和洋折衷の展示構成が、ブランドの歴史と日本文化の交差点を体験させる ──
▪️ Picked Article 02

世界の文化が息づく、目的地となるリゾート5選
スペイン・マルベーリャの「Kimpton Los Monteros」から、バハマ、イタリア、北京、コルシカ島まで。建築家やデザイナーが地域の色彩や工芸を取り入れ、現代的なラグジュアリーを再解釈。地中海の陽光、島の自然、歴史的意匠が、それぞれの土地の文化と調和しながら宿泊体験を形づくる ──
▪️ Picked Article 03

アートと記憶を宿すブティックホテル:Madame Drouot Hôtel & Spa
パリ9区、老舗オークションハウス近くに誕生した「Madame Drouot Hôtel & Spa」は、デザイナーのステファニー・クータスによる全33室のブティックホテル。アンティークと現代デザインを融合させた室内は、まるでコレクターの邸宅。素材の質感と光を巧みに操り、歴史の厚みと遊び心を同居させる空間がゲストを迎える ──

光のマングローブ、ガラスが織りなす新しい自然のかたち
フィリピン・ケソンシティの新リゾート「Solaire Resort North」では、ニコラス・ワインスタインによる巨大なガラス彫刻《Mangrove》が吹き抜けを貫く。1.6万本のホウケイ酸ガラス管を組み合わせた構造は、自然の根のように絡み合い、光と重力を受け止める。アートと構造、自然の有機的形態が融合した象徴的インスタレーション ──